癌と診断される犬は,残念なことに人同様に増加の一途をたどっている.実際,癌で亡くなる犬は多く,特に9歳以上では死因の上位である.
犬は,ネズミとの遺伝的相動性は67%であるが,人とは80%以上である.そのため,多くの犬の癌は顕微鏡学的に,あるいは分子学的に人の癌と同等である.治療への反応性も似ている.これは犬の癌研究には朗報と言える.
人の癌化に関わる遺伝子変異の多くは犬にも同様の変化を起こす.実際,顕微鏡で観察すると人の腫瘍とお犬の腫瘍を区別することは不可能である.
このような類似性は,二本足の,そして四本足の双方にとって有利である.癌治療において希望を持てる分野として,近年「比較腫瘍学」と呼ばれるものが現れた.比較腫瘍学の研究者は,ペットの自然発生癌と人の癌の類似性を研究することで,双方にとってより有効な治療法の手がかりを探っている.
今日,多くの犬が老齢まで良質な健康管理をされており,飼い主は犬の癌に対してより良い治療法を探すことに意欲的であると同時に,副作用を減らそうとしている.
これはすなわち,人で有効とされた新しい治療法はしばしば犬の癌に対しても同様の結果をもたらす可能性があると言える.もちろんその逆も然りである.治療中の生活の質に関する研究 (様々な副作用も含めて)は,癌のペットへの新しい治療法を模索していくという点において,飼い主にとっても利点がある.
引用および詳細は下記
http://edition.cnn.com/2017/02/03/health/dogs-cancer-partner/index.html?sr=twCNN020317dogs-cancer-partner0951PMVODtopPhoto&linkId=34115027